awsの運用のために設計書を作る必要があるか

awsを利用していくためにはエンジニアが適切なサーバーの運用をしていかなければなりません。その際に設計書を作っておくのが良いのではないかという発想を持つ人もいるでしょう。実際に運用をしていく上では設計書は必要になるのでしょうか。

その必要性や実際の運用のやり方の基本について紹介するので導入時の参考にして下さい。

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導入時に環境の設計は必要

設計書の必要性について考える上でまず重要なのが、awsを導入した時点では設計が必須になることを理解しておくことです。awsのサービスはあくまでクラウドサーバーの割り当てをしてもらうことができるだけのものです。

その中にインスタンスを作成してサーバーとして稼働させたり、ストレージとして使ったりするようにできるというだけなので、業務で使用できるようにするには環境の構築をしなければなりません。awsから提供されるサーバー領域の特徴を理解した上で無駄なく利用できるように設計しつつ、業務を円滑に行えるような仕様に仕上げることが求められます。

この環境を設計する段階では設計書を作ることは欠かせません。きちんと初期仕様がわかるようにして、エンジニアなら誰が見ても初期設定に戻せるようにしておくことで大きなトラブルがあっても戻ってくることができます。

環境構築をする時点では可能であれば複数のエンジニアの間で協議をして、これならサーバー障害も起こりにくく、awsの利用コストも抑えられるという設計を考えましょう。そして、それを書面に落とし込んでおいてawsを運用する上での原点にするのが無難です。

運用方法の基本指針を立てるには設計を知る必要がある

環境構築をしてしまったら後は運用をするだけになります。ただ、どのように運用していくのかは環境を構築して現場で使用してもらう前に決めておかなければなりません。環境を設計したエンジニアが自ら運用もしていくという場合には、環境全体を理解しているのでスムーズに運用方法の基本方針も立てられるでしょう。

しかし、外注して環境を設計してもらった、運用のために新しいエンジニアを雇ったというような場合には問題が生じます。基本設計がわからなければどのような運用計画を立てれば良いかがわからないからです。環境設計に関わっていないエンジニアが運用をしていくのなら設計書を渡して理解してもらうことが必要になります。

このような観点からも最初の環境構築の段階では設計書を作成することが重要になるのです。

運用中に設計書は必要になるのか

運用方針が定まって実際にawsを使い始めてからは設計書が必要になるのでしょうか。安定した運用に至るまでにはもともとの設計に立ち戻って考えなければならないことが多く、やはり原点になる設計書は欠かせません。

ただ、運用をする過程で仕様は常に変わっていくことになり、かなり大きな設計変更をすることもよくあります。その都度、設計書を作成する必要があるかというと賛否両論です。実際に運用をしているエンジニアの立場からすれば、試行錯誤の一つとして新しい設計が生まれてきているので、またすぐに元に戻してしまう可能性もあることも考慮すると、あえて書面で形にする必要がないというのが真っ当な考え方です。

スピーディーな対応によってより良い運用をできるようにするという考え方からも、運用中に適宜設計書を作成するのはあまり合理的ではありません。awsのサーバー環境を確認して設計がどうなっているかをきちんと設計書としてまとめるには、膨大な労力がかかることは否めないからです。

書類作成のためにエンジニアの貴重な時間を費やしてしまうのもまた会社にとっては大きなコストになります。節目を設けて設計書を作成するのは良い考え方ではあるものの、常時最新の設計書を作る必要はないと考えるのが妥当です。

自動化を進めるのが運用方法として一般的

運用方法としては自動化を進める方針で改善を図っていくのが一般的になっています。運用をしているとどのようなメトリクスの変化が起こり得るのかがだんだんとはっきりとしてくるので、それに応じてルーチンで対応できるようにスクリプトを組んで自動化していきます。

すると常時エンジニアが監視しなければならない項目が少なくなっていき、運用のときに力を注がなければならない範囲が狭くなるのです。夜間のようにあまり使用しない時間帯については自動化された運用システムだけで対応できるようになることも多く、労務費を削減する上でも、機械ベースの迅速な対応をできるようにするためにも重要な点です。

自動化をすると設計が変わるかというとそうではありません。基本的には運用設計の問題なので環境の設計とは別になります。ただ、自動化をする上で環境の設計も変更した方が良いというケースもあるので注意しましょう。

その場合には、自動化のスクリプトを動かすためには新しい環境を前提にしなければなりません。以前の環境に戻すとそのスクリプトは使えないことになってしまうので、節目として設計書を作成しておくと安心です。

設計書をまとめるよりも常時環境がわかるのが大切

このような兼ね合いを考えると、設計書をまとめるのは大きな環境の設計変更を行った場合に限るのが妥当です。ただ、最初からずっと設計書をまとめないでいると大きなトラブルが起こったときに困ってしまいかねません。

また、エンジニアが入れ替わったときに環境が変わってしまっていて困惑することもあり得ます。その対策をすることも考慮すると、常時環境がわかるように参照できる状況を作り、その変更履歴をログとして残しておくのが合理的でしょう。

運用監視ツールを使用することで常時環境を簡単に把握できるようにすることが可能です。日常的な運用ではツール上で確認できるようになっていれば良いと考え、抜本的に大きな設計の変更をするときには設計書を作成して保管するのが適切です。

このように運用することで労務を最小限に抑えることができ、かつ効果的な形でawsを活用していけるようになります。

設計書はあると便利だが必須ではない

awsの運用をする段階になったときにはサーバーの環境や構成がわかる設計書があると便利なのは確かです。ただ、必須ではないのも確かで、全体像がわかる運用管理ツールを使えば解決できます。実際には運用時に必要な業務の大半を自動化していくことになるため、適宜現在の設計を反映したデータを閲覧できるようにしておくのが無難です。